社会的なブーイング

多くの金融機関が破綻に追い込まれるという事態は大きく2回あった。1930年代と直近の80年代末期から90年代初期までだ。そのたびにそういう大変な事態を引き起こした原因の担保評価について、社会的なブーイングと責任追及の動きが起こり、そして、その都度担保評価について質的改善や社会的監視のシステムが加えられてきた。融資をして、それが回収不能となるのは、アメリカのノンリコースローンの中では、担保不動産の評価が甘かったと同義だ。担保価値に対して大きすぎる評価をしてそのまま大きすぎる融資を行い、事故になれば、それは担保評価をした評価人の責任だ。アメリカでは、融資には担保評価が義務づけられており、もし評価書が付けられていない場合、その後にその融資が不良化した場合に保証を受けることができなくなっている。今後の日本の担保評価は次の3つの方向へ改善されていくと思う。右肩上がりで企業の売り上げや収益が安定的に推移するという時代は終わりを告げた。日本型リコースローンは、この右肩上がりというシステムを前提とし、また、貸し手サイドを強く保護するシステムだ。これからは間接融資も比重が減る。今回の金融機関の不良債権処理が進まない状況をみても、リコースローンの理不尽さと、デフレ経済下における融資と担保の関係が明確にされてなかったことへの認識が広まった。融資回収が担保不助産のみで完結するというその祁度で整理されていくノンリコースタイプのローンが今後は増えていくと考えられる。そうなれば、担保評価が、より厳密により正確に行われるようになるのは自明の理です。」コンピューターの普及、一般化により、アメリカでは多年度収益還元法の評価ソフトが一般に販売され、多くの金融機関や1流企業、一般企業が採用して評価している。有名なのは「ARGUS」「PROJECT」という名のソフトだ。我が国でも筆者が代表をしている民問シンクタンク「都市経済研究所」が開発した収益還元評価ソフト「アプレイザー」がある。こういったものを使えば、我が国でも評価の専門家でなくても収益還元評価が簡単にできる。収益還元法による評価が重視されてくるということは、同時に事前訓査、リスク評価としてのデューデリジェンスも従来とは比較にならないほど徹底して行われるということを意味します。また、その情報もいつでも開示できるように十分な精度と心づもりが必要となります。コストがかかるのは必至だが、依椛が不良化した場合のリスクを考えれば、当然のプロセスというように、認識が変わっていくだろう。

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